宅飲みや宴会、打ち上げなどお酒を飲む機会が多い大学生。「ウイスキーはハイボールしか知らない」「最近ウイスキーを始めたけどいまいち好みがわからない」という方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回はウイスキーデビューしたい方へ向けて、現役大学生が世界的ブレンダーである輿水精一さんに「ウイスキーの幅が広がるような楽しみ方」をお伺いしていきます!
輿水 精一とは:
日本が誇る世界的ブレンダーのひとりで、イギリスで行われる世界が注目するコンペティション「ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)」では2004年から11年間審査員を務めるなど、世界でウイスキー業界の発展に従事する。
2015年には、アジア人で初めて業界も認める権威あるウイスキー専門誌「ウイスキーマガジン」が長年に渡りウイスキー業界において特筆すべき貢献を果たした個人に贈る栄誉ある賞「Hall of Fame」を受賞し、「ウイスキー殿堂入り」となる。
現在はサントリー名誉チーフブレンダーとして、ジャパニーズウイスキーをより高める活動に取り組む。
それでは、記事をお楽しみください。
1.輿水さんおすすめ「横並び飲み」とは?
ーー本日はインタビューのお時間をいただきありがとうございます!私事なのですが、最近ウイスキーに触れる機会が多く、飲み始めているのですが、いまいち違いがわかりません…。そこで本日は「ウイスキーの始め方」についてお聞きしてもよろしいでしょうか?
まず一口にウイスキーといっても、造られる地域や、シングルモルトかブレンデッドかなど、他のお酒と比較するとタイプが非常に多彩で、味わいのバリエーションも広いです。だからこそ、最初は飲みやすさではなく、自分がどのタイプのウイスキーが好きなのかを探ってみるといいかもしれません。
そこで、いわゆる「横で比較する」ような飲み方をやってみることをおすすめします。
ーー「横で比較する」とは一体?
ピート臭の強いものから穀物様の風味が強いもの、フルーティなもの、バニラの香りの強いものなど、ウイスキーには着目すべき特徴がいくつかあるので、その特徴の典型的な銘柄を何点か横に並べて、並行して飲み比べをしてみるということですね。
ーーなるほど!実際にボトルも並べてみて、特徴も横に並べてみて、というイメージでしょうか。
はい。初心者に限らず、ひとつのウイスキーだけを飲んでいると、これはフルーティなウイスキーですと言われても、『なんとなくそうなのかなあ』といった感想しか出てこないことが多いと思います。
最低でも2つ、できれば3つ以上並べるだけで、言葉で表すのは難しくても『こんなに違いがあるんだ!』と実感できると思います。
「こんなに違いがあるんだな」という気づきが、味や香りに対する理解や関心が一層深まっていくきっかけとなるはずです。
また、さまざまな切り口からウイスキーの特徴を捉えることで、飲みやすさや奥深さを知ることができると思います。ウイスキーマニアになるわけでなくても、最初の段階としてウイスキーの幅の広さを知っておくことはいいと思います。
ーー比較対象があるだけで、感じ方も大きく変わりそうですね。
といいつつも、ボトルを一本一本買って横に並べるってかなり高いし大変です。
そう言った時はバーに飛び込んでみることをお勧めします。若い人にとってはバーは敷居が高いかもしれませんが、バーテンダーにはウイスキーを熟知している方がとても多いので、典型的な味の違うものを何点か飲み比べしてみたいって注文したら必ずやってくれるはずです。
まずはプロに任せてみて、そこから自分はどんなタイプのウイスキーが好みに合うなという感覚を探してみるといいかもしれないですね。
最初に横に並べて飲むことで味の違いが認識できたら、『じゃあその味の違いはどうして生まれるの?』『なんでこの味になるの?』という疑問が生まれるかもしれません。いわゆるオーセンティックバーのようなところだったらその理由も教えてくれるはずです。
バーテンダーの方々もお酒が好きな方が多いので、喜んで教えてくれるはずですよ。
ーーまずはお酒のプロ、バーテンダーの方々に伺ってみるのですね!たしかに、自分で色々調べて購入するよりは、かなりハードルが下がる気がしますね。そう言った意味では、身近にいるウイスキーをよく知っている人に聞くのも良さそうですね。
確かに、周りのウイスキーファンにちょっとしたガイドを頼むのもかなり手っ取り早いかもしれないですね。ファンに聞くんだから絶対ハズレがないですし、仲間が増えるということで喜んで教えてくれると思いますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。初めて飲むには少し敬遠されがちなウイスキー。
しかし、その奥深さに目を向けると、つくり手の想いや技術、こだわりをとても繊細に感じます。
【後編】では、横並び飲みに続く新たな楽しみ方をご紹介します。
現役大学生と世界的ブレンダーのお話しを引き続き、お楽しみください。
主に20代のウイスキーが大好きな若手で構成される編集部です。さまざまな蒸溜所、つくり手、ファンの方々との交流をもとに、これからのウイスキー業界を盛り上げる活動を続けていきます。Twitterも発信中。フォローは以下のアイコンをクリック!
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